倍音
ここでは倍音ついて解説して参ります。
倍音(overtone)
何か楽器でひとつの音を鳴らしてみよう。
例えば、ピアノの低い音を鳴らすと、「キーン」という高い音も同時に聴こえないだろうか?
よく耳を傾けてみると、そこには狙った音以外の、様々な高い音が含まれている事がわかる。
これを「倍音(overtone)」という。
この時、鳴らそうとした音を「基音」と呼び、
それ以外に若干含まれる高い音の成分を「倍音」と呼ぶ。
より倍音を実感できる方法がある。
試しに、空き瓶などに空気を吹き込んで音を出してみよう。
子供の頃にやったことがあるのではないだろうか?
強く吹いたり弱く吹いたり、息を入れる角度を変えたりして吹き方を工夫してみると、
低い音と、高い音などいくつかの種類の音を出す事ができる。
今度は、ギターやピアノに張られている弦を弾いてみよう。低い音の弦でやると効果が分かりやすい。
まずは、そのまま弾いてみる。
次に、弦の1/2の長さのところを指で軽く触れながら、弾いてみる。
するとどうだろう、そのまま弾いたのよりも高い音が出ると思う。
また、1/3のところや、1/4のところだとどうなるだろう?
様々な音を得る事ができる。これが倍音だ。
(こうやって触れたりして、倍音だけを取り出す演奏法をハーモニクス奏法/フラジオレット奏法などと呼ぶ事もある)
最後に、、最初に弾いた様に、そのまま弾いてみる。
よく耳を傾けると、実はその中に、今まで弾いたいくつかの倍音が含まれているのが分かると思う。
さて、ここまでの解説で倍音がどのようなものか、実感できたと思う。
何故「倍音」という名が付いているかというと、例えば、
ラの音 A=440Hz を鳴らして
例えば先ほどの様に、その1/2の長さの倍音を鳴らすと、
2倍の 880Hz の音が鳴る。
1/3の長さの倍音を鳴らすと、
3倍の 1320Hz の音がなる。
この様に、x倍の周波数の倍音が得られるので倍音と呼ばれる。
倍音は、ランダムに鳴るのではなく、一定の規則がある。
下に、例として「C = 64Hz」とした場合の、倍音を並べたので参照してみて欲しい。
この様に並べたものを「倍音列」と呼ぶ。
2つ目の、2倍の倍音を2次倍音
3つ目の、3倍の倍音を3次倍音…
と次数で呼ぶ。
倍音は、この様な配列になっているので、低い音ほど、倍音が「音」として耳に認識されやすい。
ベースなどの低音楽器は、一つ音を弾いただけで、中高域の音を多く含むので、
アンサンブル全体、サウンド的にもミックス全体に影響を及ぼすのがよく分かると思う。
当教室のレッスンでは、とても簡単に理解できる図や、実際に音を鳴らしながら、また好きな音楽を題材にして、複雑な音楽理論も楽しく簡単に身につけて頂く事ができます。是非お気軽に足をお運び下さい。