DTMコラム
DTMに関すること、音楽制作にまつわる雑談まで、カジュアルなコラムです。
※コラム記事の一部は、後に本講座にも掲載致します。
ステレオ・ディレイの活用 Practical Use of The Stereo Deley
ステレオ・ディレイを上手く取入れると、サウンドに更なる広がりを持たすことができます。
ディレイは、一つの音を少し遅れて再生する「やまびこ」のような機能です。ステレオ・ディレイは、これのステレオ版で、左右で別々の「やまびこ」を作ります。
・「やまびこ」を返す回数
・「やまびこ」が返ってくる早さ
・「やまびこ」の音色
・「やまびこ」の音の大きさ
などを調節できます。これで様々な便利な使い方ができます。
さて、今回の活用術は、「やまびこ」であるディレイ音を付け足すことを目的としたものではありません。真ん中にある、オリジナルの最初の音を消して、ディレイ音のみを使います。
つまり、真ん中(センター)の音がなく、左右に音が広がります。
サウンドにスペースを与えることで、センターに別の要素を与えたり、左右のコントロールをする事でサウンド•アレンジに幅を持たせることができるのです。
具体的には、シンセ・キーボード系と、ベースと、ボーカルがあるとします。この時、全てがセンターに集中しているよりは、ベースとボーカルをセンターに据え、シンセ・キーボード系は左右に重心を分散させてあげることで、広がりが生まれます。全体に広がりが生まれたことで、更に別の要素を足すこともできますし、何も足さずシンプルに3つのパートだけでも、充分な充実感が生まれる可能性もあります。
※ステレオ•ディレイは、音を繰り返す仕様が多いため、音がぼやける場合があります。よりドライではっきりした効果を狙う場合は、サンプル•ディレイを使用し、左右を100ms程度ずらして設定してみましょう。(ディレイを使わず、同じパートを数msずらして左右にコピーしても同様の効果を得られます。)
この様に、ステレオ•ディレイを効果的に利用することで、更なる自由度と可能性が生まれてきます。
この様な手法を「ダブルトラッキング (Double tracking)」といいます。参考:Wikipedia
例えば、Wavesの「Doubler」などは、更に左右に様々な効果を加えられ、パートも同時4本と便利です。
参考画像「Stereo Deley」の例
参考画像「Sample Deley」の例
参考画像「waves doubler」