川のせせらぎ
川の音を録る場合、まずは人の気配のない場所、そして遠くの車や電車の音が入らない場所を探しましょう。
(近年の問題は、飛行機です。飛行機はどれだけ山奥へ入って行っても入ってきてしまうので、これだけは、できるだけ飛行ルートを外れる様にして、おおよそ諦めるしかないのが現状です。)
川が発する「ゴーゴー」「ザーザー」という音は、その場で聴いていると気持ちが良いのですが、いざプレイバックしてみるとノイズの様に聴こえる事が多いものです。持続系の音が多く入りすぎない様にしましょう。
こうした点に注意しつつ、耳を傾けながら「良い音がする」部分を探して、辺りを歩いてみましょう。高さや向きによっても音が変わります。しゃがんだり、辺りを見回したり、固定観念に囚われずに探っていきましょう。
地面や水面、岩や斜面に反響した音が、非常に豊かに鳴っている場合もあります。
地形によって音が溜まっているような場所もありますし、遠くの音が集まっていて遠くの音が聴こえる場所もあります。
自然の音は非常に不思議なので、しっかりと耳を傾けながら探しましょう。
良いスポットが見つかったら、そこをポイントにしましょう。
耳で聞いている音と、マイクや機器を通った音は、かなり印象が違うので、必ずヘッドフォンを通してマイクに入ってきている音を確認します。ここで改めて、様々なスポットを探っていきましょう。
川のせせらぎを録る場合、川の中まで入って行くと良いでしょう。ですから、防水性能の高い靴を用意してきて下さい。また、河原ではなく、山の中の本当に静かなせせらぎを録る場合、ヒルに血を吸われる可能性が高いです。ヒルが付いた場合、無理矢理取るとヒルが入ったままになってしまいますので、必ずライターを用意して来てヒルを火で炙って取って下さい。
川へマイクを向ける時、水面に直接マイクを向けるとダイレクトな音になり、、水面と平行気味に向けると、間接的な少し柔らかい音になります。音を確認しながら、うるさくなり過ぎない程度に角度を調節すると良いでしょう。
川とマイクの距離は、水面に近いほど低域が強調され、大きな音になります。(自分が小人になった様な印象)マイクが離れるほど、あっさりした音になります。距離も音を確認しつつ調節しましょう。
川に入ると、川に流される危険があるので、念のためロープなどを使って安全策を講じて下さい。危険な目に遭っても自然の中では全て自己責任となりますので、くれぐれもご注意下さい。
本格的な録音の前に、簡単にロケハン、つまり事前に録音場所をリサーチする為に、あちこちで仮録音をして録音場所を検討しておくと良いでしょう。しかし、自然が相手の場合、時期やその日の天候によって全く音が違う場合も多いので、一概にそれが正しいとも言い切れません。
最大のコツは、なるべくたくさんの録音時間を持ち、色々とトライしてみることです。その中で、ベストな瞬間を捉えられるはずです。