ブルース・ペンタトニック
ブルースでのペンタトニック・スケール
ブルースは今日のポピュラーミュージックの源流の一つです。
ブルースというと、独特の雰囲気をイメージする方もいらっしゃると思いますが、今回はブルースそのものではなく、ブルースによって様々なポピュラーミュージックに残された遺伝子の部分に焦点を当てます。したがって、様々なジャンルで使えるノウハウです。
・【b3】や【b7】の音程をミックス
さて、ペンタトニック・スケールのブルース的な活用法として、5音のペンタトニックに、【b3】や【b7】の音程をミックスさせる方法が、頻繁に用いられています。また、【11】や【#11】の音を一時的に通過する経過音として取入れる方法も一般的です。
五線譜で確認してみましょう。
【C Blues Scale】
さて、これをギターで弾く場合、前回覚えた、2つの基本フォームに関連づけて覚えると効果的です。図で確認してみましょう。
6弦はじまりのフォーム
C Blues Scale
5弦はじまりのフォーム
F Blues Scale
ブルース・スケールのフレージング
ブルース・スケールは、使われる音の種類が多いため、全てを漫然と使うと、単純な音の羅列の様に聴こえがちです。
ここで重要なものが、「フレージング」です。
「フレージング」とは、「節回し」のことで、どの様な国の音楽、どの様なジャンルの音楽にも、固有の性格が存在します。例えば民謡。沖縄や奄美の島唄、インドやアラブの音楽は、どこかエキゾティックな雰囲気がしませんか?これはスケールだけでなく、フレージングによる部分が非常に大きいのです。単純に、インドの音階を使っても、それだけではインドの雰囲気を再現することはできないのです。
さて、今回はいくつかよく使われるフレージングの例を用意しました。実際に耳で確認して、確かめましょう。その後、次は自分自身で、様々な音楽を聴いてフレージング探ったり、新しくフレージングを考えて、自分の中のフレージングを確立させていきましょう。
それでは、実際に五線譜と映像で確認してみましょう。
ブルース・スケール フレーズ例 音型
音型1
【1】に向かって上昇する音型です。
音型2
【1】から【P5】に下降する音型です。
音型3
【M6】から【1】に到達する音型です。
音型4
ターンアラウンドのドミナント部に多い
【P5】を強調した音型です。
音型5
トライトーンを使ったダブルストップの音型です。
マイナー・ペンタトニック
メジャー・ペンタトニックがあるのと同様に、マイナー・ペンタトニックも存在します。
【1】【m3】【11】【P5】【m7】
この5音から構成される音階が、マイナー・ペンタトニック・スケールです。
これに【9th】の音を加える手法も多く使われています。
マイナー・ペンタトニックは、改めて覚える必要はありません。これまで、ブルース・スケールで、様々な音使いを覚えました。【1】【m3】【11】【P5】【m7】(【9th】)は、ブルース・スケールの中に既に入っているので、音を減らせば良いだけです。
Cマイナー・ペンタトニック・スケールを例に、五線譜でも確認してみましょう。
6弦はじまりの基本フォーム
【9th】の経過音を入れた例
C minor Pentatonic Scale
5弦始まりや、左右のフィンガリング・フォームは、これまで覚えたものを基準に、自分自身で自由に組み立ててみましょう。
ブルース・スケールを使った音楽は、近年のアーバン・ミュージックでも、映画のサウンドトラックでも、TVのCMでも、アニメソングでも、様々なジャンルで耳にする事ができます。これらのフレージングを出来るだけ多く身に付け、より多彩な作品作り、演奏に活かしてみましょう。